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今年の春

今日は春分の日。
東京は、好天に恵まれました。
桜も咲き初めています。

桜並木の散歩に出かけると、「ああ、咲いてるねえ」と声を上げて振り仰ぐ

年配の方や、ゆったりとベビーカーを押しながら会話する家族…
それぞれに、青空の桜の下で過ごす休日をのびやかに楽しまれている様子に心が和み、
私もまたその中の一人として、やや白味が強いように感じる今年の桜の花を眺め、お日さまのぬくみをたくさん浴びました。

今年の春


パンデミックという状況下で迎えた、今年の春です。

「いつも」と同じ生活ができないストレスや疲れ、先が見えないという不安に、
気持ちも身体も、縮こまりがちな日々が続きますが、時はとどまることなく、自然のめぐりも精妙に巡り続けます。



バスを待ち大路の春をうたがはず


教科書に載っていたこの句を、春先になると思い浮かべます。
私はずっと、この句から、来たるべき春を無心に信じ切る心持ち、青春の期待感を感じてきました。
でも、今年の春は、この句に「春が来ていることを知る」という姿勢を感じています。

今ないもの(それは、手元にないトイレットペーパーかもしれません。
また、まだ起きていない未来の取り越し苦労かもしれません)に焦点を当てるのではなく、

私はこの青空を見る、この空は春の青さだと感じる、そんな、今ここにいようとする潔さを感じます。





バスを待ち大路の春をうたがはず
石田波郷


いづかたも水行く途中春の暮れ
永田耕衣