梅雨明けのニュースが届く季節になりました。
漢方養生では、梅雨どきのセルフケアとして、湿度対策が重要と考えますが、梅雨が明けても、ひきつづき湿度の高い日々を過ごすことになります。加えて、今年の夏も暑くなりそうですね。
近年、熱中症対策から「水分補給が大事」ということは国民的了解事項になりましたが、意外と「飲みかた」には、あまり注意が向いていないかもしれません。
漢方養生の視点から、夏の水分補給について、おさらいしてみましょう。

水分補給のポイントは
・冷たいものを避けて
・ちびちび少しずつ
これがポイントです。とてもシンプルですね。
冷たいものを避ける
冷え冷えのアイスコーヒーや麦茶、牛乳、ジュース、スムージーなどなど。
グラスについた水滴の、見た目の涼しさもあいまって、つめたーいものは、渇きを癒すイメージが強いですが(コマーシャルなどの影響もあることでしょう)、お腹は喜びません。
常温の飲み物が理想ですが、常温とは何度でしょうか?
それは、各自の体温が基準ということになります。
つまり、お腹の身になって、受け入れやすい温度はどの位か、と考えてみましょう。
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【但し、熱中症になったかも、という場合は冷たい水分をとりましょう】
参考までにご紹介します
上記サイトに上がっている「熱中症環境保健マニュアル」の抜粋、「熱中症を疑ったときには何をするべきか」に「冷たい飲み物」という記述があります。
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ちびちび少しずつ
のどが渇いた!という感覚が強烈だと、ゴクゴク飲んでしまったり、立て続けにお代わり、となりがちですが、お腹は、一気に流れ込む水の処理にてんてこ舞いです。
喉越しの官能を楽しむなら、たまのゴクゴクもよいでしょうが、お腹は、エネルギーを生み出すという大仕事を担っていることを忘れずに!

お腹を大事に
・冷たいものを避ける
・ちびちび少しずつ
お気づきのように、これらのポイントは「お腹を大事に」というテーマでつながっています。
もちろん、食べたもの、飲んだものを受け入れ、消化して、栄養に変えるお腹のはたらきは、1年中大切なのですが、汗をかいて体力を消耗する夏、特にいたわってやりたいのがお腹です。
漢方では、消化を司る五臓のひとつ“脾”は、湿を嫌うと考えます。“湿”とは、湿度だけでなく、水分をイメージすると分かりやすいでしょう。だから、冷たいものをゴクゴク飲んでしまうと、“脾”がはたらきづらい環境を作ってしまうことになるのです。
もちろん、水分をとることは、とても大事。
さらにそこから、体全体にとってバランスのよい水分のとり方を、色々試して工夫してみましょう。
自分にとってバランスがよいことって、つまるところ、自分でしかわかりません。
お腹は喜んでるかな?
ときどき、意識してみるのもいいですね。
どうぞお元気でお過ごしください。
ごきげんよう
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